在宅医療へ関わった薬剤師が変わったこと #在宅医療 #介護 #薬剤師
本日もご訪問ありがとうございます。
今回は薬剤師が在宅医療で行う訪問服薬管理指導について、どんな効果が期待できるのかブログにつづりたいと思います。
在宅医療における薬剤師業務について(中医協)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r985200000127vk-att/2r9852000001283s.pdf
中医協では上記リンクのように薬剤師の役割が求められていますが、
医療費の面でも適正な治療効果を発揮する面でも”薬剤の管理”はとても重要なことです。
調剤薬局での投薬(薬のお渡しと説明)では実際の薬剤使用の1/3ほどの管理しかできていないとわたくしは考えています。
というのも、
薬物治療というのは治療の大きなウェイトを占めている医療行為です。
罹患されている中で薬物治療を行っている人数は全体のうちのほとんどでしょう。
ということは、薬物治療こそ治療の本丸であり薬剤師はそれを担う存在であるのです。実際に調剤薬局での投薬はそれほどに治療に参画できているのでしょうか?
私のイメージしている調剤薬局での服薬指導は以下のような状態です。
「診察」の後に、調剤薬局で処方箋に基づいて調剤された薬を、薬の使い方や注意点などについて投薬を受け、服用に至る。これがざっくりとした流れでしょう。
ここでわたくしが違和感を感じるのが、診察から服用に至るまでの一部分でしか薬剤師がかかわっていないことです。先ほどの流れを言い換えると、診察から内服の間に薬の用意と説明しかできていません。情報収集元と言えば処方箋に書かれている薬と用法、また患者さんから聞き取れる話のみ。
これでは、薬剤師は薬を説明書通りに出しているかの確認し使い方を伝える程度です。
医療に参加するということは、この状況で十分に可能なのでしょうか。
ところで、在宅医療での薬剤師の役割は外来調剤に比べて多岐にわたります。
まず、患者さんの生活環境には必ず入り込むことになります。訪問という形は投薬台越しに患者さんの話を聞くだけではわからない様々なことに気付きます。そこでは、本当は薬が飲めていないこと、飲むためにしている苦労、薬剤師であればあれこれと目につくことになるでしょう。
その時、患者さんが伝えることのできなかった望むカタチに支援することができれば、薬物治療の質は大きく上がることになります。
また、在宅医療を始めてから往診同行をするようになりました。外来投薬と違い情報の複雑性を解消する必要があったからです。
これは、医師からしても薬剤に関することは薬剤師に聞ける環境になったのです。そうするうちに信頼を得た薬剤師は処方設計に携わるようになりました。
こうして、在宅医療を通じて薬剤師の医療への関わり方は大きく変わりました。
私が感じていた本当の意味で”医療に参加する”ということについて、ようやく違和感がほどけてきたように感じます。
私の夢としては、在宅医療の現場に薬剤師がどんどん参加して、広い意味で患者さんのために生活を支援できる環境が整っていく状態を作っていくことです。
あなたのちかくで 生活に寄り添い
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WISE共同代表 山内伴紀